ワイン造り

●新世代が活躍する活気に満ちたワイン産地
アハイアとイリア地域の、今のワイン造りを表現するのに最もふさわしい形容詞は「活気に満ちた」です。ダイナミックなワイナリーの数々、ブドウ品種の再発見、多彩でサステイナブルな栽培や醸造法、クローン研究など、今さまざま挑戦がこの地域を躍動させています。
またアハイアとイリアには、ギリシャを代表するいくつかの大手ワイナリーが拠点を置いています。同時に小規模で多様なワイナリーも存在し、近年その名が広く知られるようになってきています。最新の技術を取り入れた最先端ワイナリーや、逆に古くからの伝統的なアプローチにこだわるワイナリー、また、ブドウ栽培から醸造まで介入を最小限に抑えた自然派ワイナリーなど、各生産者が追及するスタイルは多岐に渡ります。

 

特に新世代のワインメーカーは、土着品種と国際品種を使ってエキサイティングなスタイルを積極的に造り出し、いま“新しい波”が生まれています。より長期間澱に接触させたり、アンフォラ、コンクリートの卵型タンク、大型フードルなど異なる種類の発酵容器を試したり、より軽いタッチのワインに仕上げるなど、さまざまな技術を意欲的に取り入れています。彼らは非常に研究熱心で、ある意味野心的でもあり、伝統と最新の技術を見事に融合させ、両地域の躍進に励んでいます。

ロディティスは両地域の主要なブドウ品種であり、地理的な区別とは別に、それぞれのワイナリーの造りによって表現し得る幅広いスタイルがあります。さらにワインメーカーのセラーで利用できる様々なツールや技術的にも多くの選択肢があります。主要品種のロディティスにも驚くほどのスタイルの進化があり、それは過去よりもはるかに多様になっています。

●現代の食や味覚にマッチしたフレッシュ感とエレガンス
さらにアハイアとイリア地域のワインに共通するキャラクターをあげるとすれば、それは「フレッシュさ」という言葉で表現できます。 最近の消費者は、濃厚でフルボディのスタイルよりもむしろ、軽やかさやフレッシュ感を好む傾向があります。実際に市場でもライトな赤ワインの人気が高く、アヴグスティアティスやブラック・オブ・カラヴリタなどの品種からは、近年の嗜好に合った軽やかでフレッシュな赤ワインも造ることができます。またマヴロダフニの辛口の赤ワインは非常にパワフルに仕上がりますが、エレガントなキャラクターも持ち合わせています。このように、現代の人々の食のスタイルや味覚にマッチしたワインが両地域から生まれていることも大きな魅力のひとつです。